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2001.08.25

ルパンVSホームズ

8月16日の項で書いたモーリス・ルブランの『奇巌城』、読み終わりました(しばらく放ったらかしだったので時間がかかった。現在は引き続きクロフツの『樽』を読んでます)。有名な作品なので、読んだことある人も多いと思いますが、一応説明しておくと、「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」シリーズの中の1作です。と言っても、実質的な主人公はルパンではなく少年探偵イジドール(今回買った創元推理文庫版では、イジドール・ボートルレという名前になってますが、なんか違和感がありまくり。たしか少年時代に愛読してた本では別の表記になってたと思うんだけど…。イジドール・ブリュレだったかなあ?)。謎の「奇巌城」の秘密を巡って、イジドールがルパンに闘いを挑む話です。
最後に読んだのは中学生くらいかな?ということで、最低でも20年ぶりくらいですが、さすがに元の本を擦り切れるくらい何度も読んだだけあって、ストーリーはほぼ憶えてました。とは言うものの、予想外のこともありました。この話のクライマックス、イジドールが謎の暗号文を解読し、ついに奇巌城を○○し、その○○を○○するところ(ネタバレ自粛(^^;)、ここが少年時代に読んだ時、一番好きだったところなのですが(ここが読みたいために何度も繰返し読んだと言っても過言ではない)、今回読み返してみるとえらく短い。驚くほどあっさりと終わってしまいました。
というようなこともあったものの、やっぱり面白く読めました。が、う〜ん、どうもなあ…。と煮えきらないのは、アルセーヌ・ルパンというキャラクターがイマイチ好きになれないからです。
実は、少年時代に読んだときから、なんとなくそういう感想は抱いてました。たまたま家にあった『奇巌城』(と後1作くらい)は読んだけども、それ以外の作品に手を出してみようと思わなかったのもそれが原因だったと思います。今回、改めて読み直してみたのは、時間が経ってある程度見方が変わっているかも知れないと思ったのと、昔読んでいたのがこども向けの本ということで、ひょっとするとルパンを悪役扱いするような翻訳の仕方がされていたかも知れない(あまりありそうにないが)とも思ったからです。
残念ながら、今回読み返してみても、印象は変わりませんでした。やっぱりルパンというキャラはどうも好きになれません。ただ、なぜ好きになれないかと言われると自分でもうまく説明できないのです。あまりにも超人として描かれ過ぎているとか(その割りには失敗もしますが)、「怪盗紳士」を名乗っている割りには結構セコい手を使うとか、いくつかもっともらしい理由は挙げられるのですが、決定的な理由にはなりそうもない。結局のところいわゆる「相性が悪い」という奴かなと思っていたのですが、ひとつこれか?と思える理由がありました。それは表題としてあげた、ホームズ(もちろんシャーロック・ホームズの事ね)の存在。この作品にはルパンの好敵手として、ホームズが登場します。しかも好敵手とは名ばかりでかなりかっこ悪い描かれ方をしてます(あくまでもルパン側から書かれた「ホームズ」だから仕方ないと言えば仕方ないのですが)。当時(つまり『奇巌城』を初めて読んだ頃)、既にホームズ大好きだった少年時代の私が「ホームズをこんなかっこ悪く書きやがって!許せん!!」と思ったのは想像に難くありません。
って他人事みたいに書いてますが、実はそういう記憶はあんまりないのです。それでもおそらく無意識のうちにそういう意識を持って、それで「ルパン」というキャラが嫌いになったのではないかと…(^^;。う〜む、ということは、ルパンもので最初に読んだのが『奇巌城』だったからまずかったのか?ホームズの登場しない他の作品を先に読んでいたら、その後抵抗なくルパンものを読めていたのだろうか?今となってはなんとも言えませんが、一つだけ確かなのは、30年近く前に私の心に植え付けられたルパンに対する呪縛は、どうやらまだ効力を発し続けているらしい、ということでした。

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