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2004.06.27

★CD付き食玩は違法なのか?★

なんか東スポ風煽りタイトルを付けてしまいましたが、正確に書くと「CD付き食玩の中には違法なものがあるのか?」という事です。
ここ数年の食玩ブームには凄まじいものがあります。今まではフィギュアをおまけにつけたものが主流でしたが、最近はCDをおまけに付けたものも出てきました。単価せいぜい¥300ちょっとの食玩でCDを聴ける、というのも凄い話です。
で、今回の記事を書くきっかけになったのは。サエキけんぞう氏が「レコードコレクターズ」誌で連載しているコラム「お手やわらかに!」の2004年7月号のなかで以下のような記述があったからです。

(前略) 
さて、去る4月にK社より初の洋楽食玩CDが出た。サイモン&ガーファンクル「サウンド・オブ・サイレンス」など大物がジャケットに並んでおり、早速買った。が、この製品、なんとCD面にもジャケットにも、どこにもジャスラックや原盤会社、©などの文字が発見できない!お手やわらかに!どうなっているのだろう?(後略)

 「レコードコレクターズ」誌(株式会社ミュージック・マガジン発行) 2004年7月号 130頁より


文中では会社名・商品名は伏せられていますが、これはカバヤ食品が出した「メモリータイム ♪懐かしのアメリカンポップス編」という食玩のことでしょう。カバヤ食品のHPはこちらですが、この商品に関する情報は現在は掲載されていません。基本的に新商品に関する情報しかないようです。代わりにCDジャーナルのHPで掲載されたニュースのリンクを貼っておきます。
CDJournal.com - ニュース - 今度は“洋楽”の「CD付お菓子」が発売に!
この「メモリータイム」は、私も1個だけ買って持っていたので早速手持ちのもの(ニール・セダカ「カレンダー・ガール/すてきな16才」)を調べてみると、確かにジャスラックのマークおよび©のマークはどこにも見あたりませんでした。サエキ氏が書いておられる「原盤会社」というのは何を示すかはっきりしないのですが、一般にマルP表示(マルの中に「P」の文字。機種依存文字なので以降(P)と表記させていただく)と呼ばれるものでしょうか?これについてはCD本体およびジャケット(というか歌詞の書かれたうすっぺらい紙切れ)に「(P)2003 AUTARC MEDIA Gmbh」と書かれていました。ただサエキ氏が見た種類のものには表示されていなかった、という可能性もあります。

さて、記事のタイトルとして付けた「違法」には、
(a)ちゃんと権利者の許可を取っているのか?
(b)権利を取った正当なものであることが判るように表示しているのか?
という2つの意味がある訳ですが、(a)については部外者には知りようもないので、ここでは(b)について考えてみたいと思います。
それでは、そもそもCDにはどのような情報を表示する義務があるのでしょうか?これについては社団法人 日本レコード協会のサイトにある発行物というページに「オーディオCDの表示事項および表示方法」という文書(←リンク先はPDFファイル(476Kb))があります(。
詳細はPDFファイルの現物を見ていただきたいのですが、予想以上に細かく指定されています。特にフォントはこれを使えとか文字サイズはこのサイズを推奨するとか、発売年月日の表示方法にも細かい指定があるようです。
で、肝心の著作権というか権利関係の表示なのですが、
(1)録音使用許諾表示
(2)(P)表示
この2つの表示が必須なようです(これ以外にも権利には関係なさそうな必須項目が多数あります)。意外にも、©の表示は義務付けられていません。上記PDF文書の24-8)項に©表示について言及されていますが「できる限り当表示を実施することが望ましい」という表現になっています。

個人的には©の表示は必須、と思っていたのでちょっと驚いたのですが、この辺の事情を例によってググってみたところ、解説しているサイトが見つかりました。
「新ゴーマニズム宣言」103章の虚偽を糾す:著作権と「マルC」
詳しい内容は、サイトに書かれていることを参照してもらうとして、かいつまんで説明しますと、著作権の保護には「方式主義」と「無法式主義」があります。日本などは「無法式主義」をとっていますが、これは著作物が発生した時点で自動的にその権利が保護される、というものです。一方「方式主義」とは何らかの登録を行って初めて保護対象となるというものです。つまり「方式主義」をとっている国では、著作権の保護対象になっているものとなっていないものが混在しますので、その区分けをはっきりさせるために©表示が必須ですが、「無方式主義」をとっている国では全ての著作物が保護対象なので、特に©表示は必要ないという訳です。
ただ、輸出入の対象になるような場合は、「方式主義」をとっている国で流通する可能性もあるので、©表示を実施した方が望ましい訳です。日本国内でしか流通しないようなものの場合は必要ないと言えます。

さて、それでは表示が必須な2項目の内、まず(1)録音使用許諾表示ですが、これはその楽曲の著作権を管理している団体から、使用許可を受けている事を示すものです。ジャスラックすなわち社団法人日本音楽著作権協会が著作権を管理している楽曲の場合は、通称JASRACマークと呼ばれている、角の取れた菱形円の中に「JASRAC」と記されたあのマークを表示することになります。
ちなみにジャスラックは全ての楽曲の著作権を管理している訳ではなく、あくまで著作権者から委託を受けたものだけです。とは言え、作詞・作曲・編曲・出版などのどれかではジャスラックが関わっている場合がほとんどのようです。
ジャスラックのサイトには、ジャスラックが管理している楽曲のデータベース検索システムがあります(「J-WID」と書かれているリンク先。直リン禁止なので各自クリックして飛んでみて下さい)。これでアーティスト名=「Neil Sedaka」で検索すると76作品ヒットしますが、その中にはちゃんと「カレンダー・ガール(原題:CALENDAR GIRL)」も「素敵な16才(原題:HAPPY BIRTHDAY, SWEET SIXTEEN)」も含まれています。それぞれ詳細を見ると、「録音」欄に「○」がついていますので、やはりジャスラックが管理しているようです。
ということで、JASRACマークが表示されていないのはどう考えてもまずそうです。まあ、正式なCD(という言い方も変だが)ではなく「おまけ」だという点で見逃されているのでしょうが、これも立派な「著作物」ですからね。

次に(2)(P)表示についても調べてみました。(P)表示はちゃんと行われている訳ですが、表示されている「AUTARC MEDIA Gmbh」で検索してみると、こんなサイトが見つかりました。ドイツ語なんでよく中身が判らないのですが、どうやら安価なCDやDVDを制作している会社のようです。おそらく原盤権をいろいろ所有していて、それをあちこちにライセンスすることで収益をあげている会社と思われます。ちなみにドイツには何故かこの手の会社が多く、大手輸入レコード店などで妙に安い値段で売られているCDの(P)表示先を見るとたいていドイツの会社だったりします。
ついでですが、メモリータイムの外箱を見ると「CD提供-キープ株式会社」という文言が書かれているのを発見しました。まあ、カバヤがCDまで作る訳はないので、CDについてはこの会社に委託して作らせているのでしょう。この「キープ株式会社」について検索すると、こんなサイトが出てきます。ずいぶんあっさりしたサイトですが、会社概要のページを見ると、どうやら新星堂やアシーネなんかの店頭のワゴンに置かれている廉価盤を作っている会社のようです。
ちなみにこのキープ株式会社については興味深い事件もあったようですが、今回の件とは直接関係ないので触れません。興味のある方は「キープ株式会社」でググってみて下さい。

ということで長々と書いてきましたが、まあ、違法かどうかはともかく、この記事を書くために調べる過程で色々と勉強になりました。©マークの意味合いとか、ジャスラックの著作権に関する考え方とか。ちなみに前記ジャスラックのサイトにあるFAQのページには色々と興味深いことが書かれているので、著作権について関心のある方は一度目を通す事をおすすめします。
ところでカバヤの食玩ですが、今度はCDではなくDVD付きのが出るようです。
カバヤ、水野晴郎が選んだ洋画を同梱する「DVD付きお菓子」
ダイジェストではなく丸ごと収録して¥315というのは凄い。ワンコインDVDも真っ青です。それはいいんですが、今度は変な疑惑を持たれないように表示もちゃんとして下さいよ、カバヤさん。

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