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2010.04.10

今日の消化本(4/9)

奥泉光『新・地底旅行』(朝日文庫 お53-1)

★★★★

  あらすじ
挿絵画家、野々村鷺舟は、旧友の富永丙三郎の誘いに乗り、富士山の地底洞窟に潜行したまま行方不明になっている物理学者稲嶺博士親娘を探して、物理学者水島鶏月、稲嶺博士宅の女中サトと共に富士山麓の洞窟から地底探検に出発する。切り立った断崖絶壁、水不足など数多の苦難を乗り越え、一行が辿り着いた地底世界とは…。

という感じだが、タイトルから判るように、ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』の続編または姉妹編という設定になっている。更に漱石の『吾輩は猫である』の小説世界であるという設定もあり(探検隊の水島鶏月は『猫』に出てくる水島寒月の弟という設定)、いくつものフィクションの上に成立する魔術的な世界が描かれている(ちなみに漱石へのオマージュは『猫』以外にもあり、漱石読者なら思わずにやりとするだろう)。
この作者のことだから、どうせ一筋縄ではいかない小説だろうと思って読み始めたのだが、中盤までは特に仕掛けらしいものもない純然たる冒険小説でちと拍子抜けした(まあその分読みやすかったが)。しかし終盤になってくると俄然話しがSF的&壮大になり、更に面白さが加速する。とは言え、最後の最後はやや駆け足気味で、もう少し書き込んでも良かったのではないかと思われる。その辺で★★★★☆ではなく★★★★評価とした。

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