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2015.08.03

◆音楽四方山話◆ 第2回 旧館サルベージ企画その1 茶木みやこという人

さて、この音楽四方山話、もう少し速いペースで書きたかったのですが、テーマはいくつかあるものの、なかなか書けません。そこで、お手軽企画として、いまやすっかり放置状態である旧館(実は更新しようにも、IDとパスワードも忘れているという…orz)に残してあるいくつかのコンテンツから、通用しそうなものを再利用しようというせこいのを考えました。で、その1回めがこれ(何回続くかは判らんが)。
今読むと、気恥ずかしい面や文章もありますが、敢えて手は入れずに、明らかな事実誤認の訂正と、見栄えの修正だけしました。それではどうぞ。
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2000.08.15 UP
茶木みやこという人

茶木みやこの名前を知ったのはもう随分前になる。1978年だからもう22年前、当時中学生だった。毎日放送(だったと思うが)で横溝正史シリーズという番組が放送されていた。金田一耕助の活躍する作品を数話連続でドラマ化すると言うスタイルの番組だったが、そのエンディングテーマである「あざみの如く棘あれば」を唄っていたのが茶木みやこだった。その頃はまだ音楽にあまり関心が無かったのだが、哀愁を帯びたメロディーと独特の声は、そんな私の心にも訴えかけるものがあったらしく、茶木みやこという名はしっかりと記憶に残った。
それから十数年が経ち、CD屋でCDを買い漁るようになった頃、なにかのきっかけでその時の事を想い出し、茶木みやこのCDが出ていないか探したことがある。その結果、『うたがたり』と『レインボー・チェイサー』という2枚のCDが出ていることが判ったが、残念ながら「あざみの如く棘あれば」(以下「あざみの…」と表記)はいずれにも収録されていなかった。
それから更に数年が経った頃、某所にて知り合いから「あざみの…」の話題が出た。歌詞が判らないか、またはCD化されているのか?という質問だった。更に、それを受けて別の知り合いからは、同じく横溝正史シリーズのエンディングテーマだった「まぼろしの人」という曲について判らないかという質問も出た。「あざみの…」は覚えていたが、「まぼろしの人」という曲は全く覚えていなかったので、ちょっと驚き、インターネットで調べてみたところ、実は横溝正史シリーズには1期と2期があり、1期のエンディングテーマが「まぼろしの人」、2期のエンディングテーマが「あざみの…」だったことが判明した。しかも唄っていたのはどちらも茶木みやこだったのである。「まぼろしの人」は『レインボー・チェイサー』に収録されていたので、結局「まぼろしの人」について質問した知り合いは、『レインボー・チェイサー』を買ったようだ。

そんなこともあって、茶木みやこという人に再度興味が湧き、しばらく迷ったあげく『うたがたり』というアルバムを買ってみた。聴く前はフォークのアルバムだと思っていた。て言うか、収録曲のタイトルを見ただけでいかにもフォークという感じである。ちょっと、タイトルをあげてみよう。
 1.24になった日
 2.屋根裏部屋の日曜日
 3.泪橋
 4.陽だまり
 5.近いうちに帰ります
 6.風がほしい
 7.闇路
 8.雨模様
 9.一輪ざし
 10.冬支度
 11.都会の人は
どうです?いかにもフォークという感じでしょ?(「泪橋」なんてむしろ演歌だが)。地方から都会(京都あたりか?)の大学へ進学した女の子。住んでいるのは風呂なし、トイレ共同の四畳半の安下宿。学生運動に関わってみたりもするがどこか虚しい。結局、こたつにあたりながら、故郷の母に手紙を書く「近いうちに帰ります…」。てな感じを想像していた訳だ。
でも聴いてみるとなにか違和感がある。いや、歌詞的には想像した世界とそんなに違わなかった。サウンドもほぼフォークと言っていい。にも関わらず違和感を感じるのは茶木みやこの声のせいである。中学生の私を魅了した独特の歌声、なんと表現するべきか迷うのだが、ゴージャスとでも言ったらいいのだろうか?この声でソウルなんか唄ってもなかなかはまるかも知れない。プログレ系でもいけそうだ。しかし、どう考えてもフォーク向きの声ではない。
そんな歌詞とバックトラックから、声だけが遊離しているような不思議な感覚。それが最初聴いた時の違和感の原因だと思う。まあ、何度か聴いているうちに多少は慣れてきてそれが逆に魅力になってきたりもしたのだが。

そんなこともあったりした訳だが、結局「あざみの…」については当分聴く機会はないだろうと思っていた。ところが、今年(註2000年)のはじめになってニュースが入ってきた。『金田一耕助の冒険』(註記)という、横溝正史の作品を元にして作曲されたいわばイメージアルバムがあって、それが初CD化されるのだが、そこにボーナストラックとして横溝正史関係のTV番組の主題歌も収録されると言う。当然、「あざみの…」も入っている。久しぶりに、発売日にCD屋へ駆けつけましたね。結局、「あざみの…」の他に「まぼろしの人」と「あなたは何を」の3曲が、茶木みやこ作品としては収録されていた。「あなたは何を」は横溝正史シリーズ2期の挿入歌ということだが、そんな曲があったのも憶えていなかったなあ。
本編は後回しにして、ボーナストラックの方を早速聴いてみた。まずは「まぼろしの人」から。
エレピが印象的なイントロから茶木みやこの唄が流れてくる。そう言えば聴いた覚えがある。ような気がする。つづいて「あざみの如く棘あれば」22年ぶりだ(まあ、再放送とかで聴いてるかも知れんが)。あれ?なんか違うような気がする。ヴォーカルは記憶のままだが、バックトラックはこんな分厚い音だったっけ?ひょっとすると放映されたバージョンとはちょっと違うのかも知れないが(レコード化する際に再録音するのはよくあることだし)、単に記憶の中で変形してしまっただけかも知れない。最後に「あなたは何を」。う~ん、これは全く記憶にない。「あざみの…」を憶えている以上、これも確実に聴いていたはずなのに。どうも、人間の記憶なんてあてにならないものだ、と言うちょっと寂しい結論が出て終わってしまった。

私にとっての、茶木みやこという人はそんな存在である。結局「あざみの如く棘あれば」の1曲がその殆どを占めていると言えるかも知れない。この人は関西在住らしく、ぴあのライヴスケジュール欄でも時たまその名前を見かける(註その「ぴあ」も休刊して久しい)。一度、ライヴでも見に行ってみようか、と思いながらまだ果たしていない。前述の知り合いによれば、ゴダイゴが全面参加して「シティポップス(死語)」みたいだ、という『レインボー・チェイサー』もまだ買っていない(註 その後購入した)

 註記 『横溝正史MM<ミュージック・ミステリー>の世界 金田一耕助の冒険 【特別版】』(KING RECORD KICA 3034)

                         了


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