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2016.01.11

◆音楽四方山話◆ 第11回 宇宙時代(スペース・エイジ)の音楽 Part 2

お待たせしました。年をまたがってしまいましたが、ようやくPart 2です。
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ということで、Part 2ではいよいよ、CD『Greatest Hits From Outer Space』の中身を見ていこう。
曲目一覧…を書くのはめんどくさいので、裏ジャケの写真を今度は大きなサイズで掲載する(クリックで拡大されます)。

spaceage_back.jpg

曲名とアーティスト名の後ろに、小さい字で発表年が記載されているが、それを見て貰えば、大体1950年代末〜1970年の間の10余年間に渡っていることが見て取れると思う(一部、はみ出す曲もあるが)。これは、Part 1の最後で結論を出した「1950年代末〜1960年代末」という宇宙時代の定義と大体一致する。
曲の内容は、それこそ様々で、クラシックあり、ジャズあり、ブルースあり、ロックありと多様だが、まあ、これはとりあえず宇宙に関した曲は適当にぶちこんでしまえ、という大まかな編集方針によるものだと思う。しかし、この混沌とした内容が、宇宙時代(スペース・エイジ)に妙に合っているのも確かだ(と偉そうに書いているが、筆者は1962年生まれなので、ものごごろついた頃には、既に宇宙時代の末期だったわけだが)。

それでは、次に個別の曲について見て、いや、聴いていこう。折角Youtubeという便利なものがあるので、Youtube上に曲があるものは、埋め込んでおいた。

  1. Also Sprach Zarathustra, Op.30/Berliner Philharmonicar, Conductor: Karl Böhm
    1曲目は、リヒャルト・シュトラウス作、「ツァラトウストラはかく語りき」の冒頭部分。映画『2001年宇宙の旅/2001: A Space Odyssey』のテーマ曲として、あまりにも有名だ。冒頭に持ってくるにはこれ以外ないと言う選曲だろう。
    ところで、このCDに収録されているのは、サウンドトラック盤に収録された、カール・ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏のものであるが、実際に映画で使われたものなのだろうか?映画で使われたバージョンと、サントラに収録されたバージョンが違うというのは、よくある話である。
    で、調べてみると、やはり映画とサントラでは違うものが用いられている事が判った。その辺の経緯は、jurassic_oyaji氏による、R・シュトラウスと「2001年宇宙の旅」というページに詳しく掲載されている。そこに依れば、映画で実際に使用されているのは、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏のものであるらしい。権利関係か何かで、カラヤン版を使用できなかったため、ベーム版を使用した、と推測されているが、おそらくそうであろう。

  2. Destination Moon/The Ames Brothers
    2曲目は、1940年代〜1950年代にかけてアメリカで活躍したヴォーカルグループ、エイムス・ブラザーズの1958年の曲。ナット・キング・コールやダイナ・ワシントンもヒットさせている。おそらく、1950年発表のアメリカ映画『月世界征服/Destination Moon』の影響を受けて作られた曲ではないかと思われる。
    ちなみに、こちらのサイトで日本語訳歌詞が見られる。

  3. Lunar Rhapsody/Les Baxter Orchestra with Samuel J Holfman (Theramin)
    3曲目は、マーティン・デニーと並ぶ、エキゾチック・サウンドの雄、レス・バクスターの曲。1947年に発表された1stアルバム、『Music Out Of The Moon』に収録されている。アルバム名からして、既に「月」であるが、この曲以外にも、「Moon Moods」、「Mist O' The Moon」、「Radar Blues」などという曲もある。サミュエル・J・ホフマンによるテルミンをフューチャーした、宇宙感覚溢れる曲だ。

  4. Rocket To The Moon/Moon Mullican
    4曲目は、ムーン・マリカンの曲。名前に既に「月」が入っている。マリカンは、ブルース、カントリー、ロカビリー等幅広い分野で活躍したピアニストで、そういうジャンルをまたがって活躍した人の常として、今ひとつ知名度が低い。
    この曲は、1953年にKingレーベルよりシングルとして発表された。

  5. Forbidden Planet/David Rose & His Orchestra
    1956年、アメリカMGM制作のSF映画、『禁断の惑星/Forbidden Planet』のテーマ曲。
    と、単純に思っていたのだが、【コラム】 映画と音楽 第8回「禁断の惑星」というページに依ると、映画で実際に使用された音楽は、ルイスとビーブのバロン夫妻によって作曲・演奏されたものだが、いわゆる「電子音楽」であったため、曲として認められず、クレジットされなかったと言うことらしい。
    更に事態をややこしくしているのは、同年、デヴィッド・ローズ・アンド・ヒズ・オーケストラ名義で、「Forbidden Planet」というシングルが発売されたことで、このシングルは、当初『禁断の惑星』のテーマ曲として使用されるべく作曲されたが、結局はバロン夫妻の音楽が採用された結果、お蔵入りとなったものだというのだ。
    Youtubeを「Forbidden Planet」で検索すると、バロン夫妻版と、デヴィッド・ローズ版が混在している。両方を聴いて確認してみたが、この『Greatest Hits From Outer Space』に収録されているのは、クレジット通り、実際の映画では使用されなかった、David Rose & His Orchestraのものだ。
    参考までに、両方のYoutubeを貼っておく。

    デヴィッド・ローズ版

    バロン夫妻版

  6. Flying Saucers Rock'n Roll/Billy Riley & His Little Green Men
    ビリー・(リー)・ライリーは、初期ロカビリーの伝説的スター。バックバンドの、リトル・グリーンメンと言うのも、なんとなく異星人を連想させる名前である。
    この曲は、1957年にSUNレーベルよりシングルとしてリリースされた(ピアノを弾いているのは、ジェリー・リー・ルイス)が、この『Greatest Hits From Outer Space』に収録されているのは、初期テイクで、ジェリー・リー・ルイスは参加していないバージョンらしい(ブックレットの解説による)。
    参考までに、両方のYoutubeを貼っておく。

    初期テイク版

    リリース版

ということで、最初の6曲について解説したが、だいぶん長くなったので、以降は次回ということにさせていただく。このペースだと、Part 5くらいまで行きそうだなあ。
                                               つづく

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