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2018.05.09

●ブルースとサイケのとある出会い〜Part 2●

今回は前回取り上げられなかった、Disc 2およびDisc 3についての話題を中心に取り上げます。



と言っておきながら、いきなり違う話題ですが、Part 1で取り上げた「Mr. Charlie」のシングル版の話の訂正です。前回、わざわざ他のサイトを参考にしてまで、シングル盤「Mr. Charlie」のレーベルに印刷されている、「3:35」という数字が収録時間ではないか?という仮説を立てた訳ですが、灯台下暗し、とはこのことで、CDのブックレットにA面「Mr. Charlie」と、B面「Baby Child」のレーベルが印刷されてまして、それに全然気が付きませんでしたorz。
それを見ると、B面「Baby Child」のレーベルの同位置にもやはり「3:35」という数字が印刷されています。たまたま、同じ演奏時間になってしまった、というのもあり得ない話ではない(「Baby Child」の演奏時間は「3分37秒」注1なのでかなり近い値)のですが、やはりこの文字列は演奏時間ではない、と考えるのが適切でしょう。従って、「Mr. Charlie」のシングル版の話にまつわる著者の仮説は、取り下げます。

で、肝心のDisc 2およびDisc 3の話に戻りますが、前置きとして、CDのブックレットに依れば、このアルバムの収録にあたっては、2回のセッションが行われたようです。

1回目のセッションは、1968年1月3日午後8時〜1月4日午前1時までの5時間にわたって行われました。このセッション#1については、マスターテープが残っており、今回のこのCD本編(Daic 1のこと。以降同様)についても、マスターテープからリマスタリングして収録されています(「Open Up Your Door」と「Baby Child」と「Black Ghost Blues」の3曲を除く)。

2回めのセッションは、1968年2月9日に行われました(時間は不明)。が、このセッション#2については、その後マスターテープが失われたとのことです。従って、セッション#2で演奏された2曲(「Open Up Your Door」と「Baby Child」)については、オリジナルアナログ盤よりリマスターされて収録されています。

ボーナストラックの「Black Ghost Blues」については、色々と複雑なため、後でまた取り上げることにします。

このCDのDisc 2およびDisc 3には、そのセッション#1の模様が、実際の曲(未発表曲も含む)と、曲間のチャット/会話の模様を含めて、収録されています。収録時間は、Disc 2が45分19秒、Disc 3が79分23秒、合わせて124分42秒、約2時間ですから、5時間にも及んだというセッションの模様を完全に収録したわけではないようです。

次に、Disc 2およびDisc 3の収録内容を簡単に解説してみます。が、正直会話部分については、殆ど聞き取れません。これは何より著者自身のヒアリング能力のなさに起因する(^^;のですが、もう1つの要素として、ライトニンの発言以外はオフマイクになっているため、殆ど聴こえないという点もあります。

Ligtnin' Hopkins『Free Form Patterns』(Charly J 750)
Disc 2

  1. Chat #1: "I'd Like To Get In Tune With The Boys" 0:30
    セッション開始時のチャットでしょうか?タイトル通りなら、「若いもんとは上手くやりたいよ」というようなことを喋っているのでしょう(^^;

  2. Song #1: Give Me Time To Think 3:51
    本編収録のものと同じテイクです。CDのブックレットには、
    「All 1st Take Recordings except where noted:」
    とありますので、基本的に1テイクしか録音していないのかも知れません。以降同様です。

  3. Chat #2: Harmonica Players 0:57
    タイトルからして、ビリーに何か指示しているのでしょうか?その後、曲の出だしを2,3度試みています。

  4. Song #2: Mini Skirt 3:03
    これも本編と同じテイクです。が、アルバム中一番盛り上がっているこの曲が、セッションのこんな早い段階で録音されていたとは思いませんでした。

  5. Chat #3: Lelan, "Is Billy A Hippy?" 0:55
    いきなり「ビリー」と呼びかけているので、ビリーに対する指示かと思いきや2,3人で会話してるようです。「25年間」という単語が幾度も出てきますが、何のことなのかはっきり判りません。

  6. Song #3: Got Her Letter This Morning 4:57
    これも本編と同じテイクです。

  7. Chat #4: Drinking Chat #1, "No No, I Don't Fool With Nothin' But What I Fool With" 
    2:49
    「酔っぱらいチャットその1」です。ライトニンはろれつがやや怪しげな感じがします。シリアスな会話ではなかったようで、笑い声もあがっています。タイトルはどういう意味なのか、今ひとつはっきりしません。

  8. Song #4: Mixed Up (unreleased) 3:04
    「混ぜもの」と名付けられた、未発表曲その1です。アップテンポなかっこいい曲ですが、中盤では「聖者が街にやってくる」になったりしてあくまでお遊び的な曲でもあります。なにより、ライトニンが殆ど歌わず、偶に喋るだけというようなことからお蔵入りになったのでしょうか?

  9. Chat #5: Band Direction / Billy 2:36
    最初の方で「Mixed Up」がどうのこうの言ってるのは、直前の曲のタイトルを聴いているのでしょうか?「バンドの方向性」というタイトルがついていますが、これもおふざけ的なチャットらしく、皆で笑っています。

  10. Song #5: (Mr.Dillon's) Grocery Store Blues 5:35
    基本的には、本編と同じですが、こちらでは出だしにライトニンが一言呟いてから曲が始まるのですが、本編ではその呟きがカットされています。また曲タイトルが、本編では「Mr.Dillon's」が「Mr.Ditta's」に変わり、最後の「Blues」が削除されています。後者はともかく、前者はなぜ人名を変えなければならなかったのか?曲中でも2,3箇所、ライトニンが「Mr.Dillon」と歌っているが聞き取れるだけに謎です。

  11. Chat #6: "You Know Mr. Dillon?" 0:50
    タイトルにもなっていますが、ライトニンが「ディロン氏を知ってるかい?」と問いかけています。その後が、聞き取れないので、どういう文脈で出てきたかわからないのですが...。ひょっとすると、「Mr.Dillon's」が「Mr.Ditta's」に変えられたのと関係あるのかも知れません。

  12. Fox Chase False Start / Band Direction 5:09
    ここで初めて、失敗したテイクが収録されています。問題なくスタートしたものの、40秒くらいで演奏が止んでしまい、その後も数回スタートしては止める、という繰り返しです。CDのブックレットにはこの曲のみ「(5 takes)」という注記がされているのですが、この何度かの失敗スタートも、「5 takes」に入っているのか、それともここには収録してないNGテイクがあったのかは不明です。

  13. Song #6: Fox Chase 3:32
    直前のチャットからいきなりこの完成テイクに入ります。こちらはビリー(?)の2言3言の呟きからスタートするのですが、本編ではその呟き部分がカットされています。

  14. Chat #7: Drinking Chat #2, "I'm The Best Person In The World When I'm Drinking" 3:37
    酔っぱらいチャットその2です。が、酔っ払っているのはライトニンというより、それ以外のメンバーという感じもします。最初の方では、ライトニンが黙々とギターを弾いている後ろで、他のメンバーが笑いあっています。お酒のグラスの音(?)も聞こえます。後半はライトニンも会話のなかに参加しますが、どちらかというと、受け身に回っているような感じです。

  15. Song #7: Lord Have Mercy (unreleased) 2:48
    未発表曲その2です。特に演奏に破綻したような箇所はないですが、後半ライトニンがほとんど歌わずに、インスト曲のようになってしまったのが、お蔵入りの原因かも知れません。

  16. Chat #8: Drinking Chat #3,'Don't think it ain't got somethin' in it' 0:54
    酔っぱらいチャットその3です。もはや、酔っているのはライトニンだけでなく、全員が酔っ払ってそうな雰囲気です。

Ligtnin' Hopkins『Free Form Patterns』(Charly J 750)
Disc 3

  1. Song #8: Rain Falling 5:02
    ここからDisc 3に入ります。Disc 2とDisc 3との収録時間が不自然(Disc 2の45分29秒に対し、Disc 3は79分23秒と不釣り合い)なのがなにか意味があるのか?と思いましたが、ここからセッションの模様が変わったようなところはありません。
    この曲も本編と同じです。

  2. Chat #9: Argument Over Songs 4:48
    最初、何事か声を潜めてのチャットが続き、その後ライトニンが「Mojo Hand」風の曲を弾き始め、他のメンバーもそれに乗って、曲が出来るか?と思われたのですが、40秒位で終わってしまいます。その後、ライトニンがちょっと興奮したような強い口調で何かいうのですが、やはり聞き取れません(^^;

  3. Song #9: Cooking's Done 3:47
    本編と同じものです。ここで「Mojo Hand」風のこの曲を弾いたのは、やはり直前は失敗テイクということでしょうか?

  4. Chat #10: "Sweet Lil' Woman, But You Ain't Got On Hair" And Chat 4:55
    ライトニンが「♪かわいいちっちゃな娘、でもお前には髪の毛がないのさ」と歌い出し、本気なのかおふざけなのか判らない感じで1分半ばかり演奏が続きます。その後ライトニンが機嫌良さそうに笑い、良い感じです。それからビリーにハーモニカのフレーズを指示したり、何時になく、バンドマスター的な振る舞いを見せます。

  5. Song #11: Mr. Charlie 7:07
    これについては本編と同内容です。

  6. Song #12: Straw Hat (unreleased) 6:50
    未発表曲その3です。スローなバラードです。特に演奏に破綻したようなところもなく、完成してる感じです。なぜお蔵入りになったかはよく判りません。

  7. Chat #11: "Try Got A 100 Songs" 0:48
    1分弱の短いチャットです。例によって何を喋っているのかよく判りませんが、最後のほうでライトニンが豪放に笑っています。

  8. Song #13: Green Onions (unreleased) 4:38
    未発表曲その4です。珍しく、ブッカー・T&ザ・MGズのデビュー曲をカバーしています。ギターなどは即興的に演奏されているのでやや原曲と異なりますが、印象歴なベースライン(原曲ではキーボードで弾かれている)が同じなんで、カバー曲と見ていいのではないでしょうか?CDの裏ジャケ曲目リストの「ところでは、「(L. Hopkins)」となってますが...。

  9. Chat #12: Vietnam Song Snippet / Oh Oh Lyric 2:46
    ゆるい感じで演奏が始まりますが、40秒位で止まってしまいます。その後はライトニンとメンバーとのチャットが続きますが、最後の方で、新しく曲を始めます。しかし、最後はフェイド・アウトしてしまいます、。

  10. Song/Chat: Poppa Was A Preacher Rehearsal/Chat 3:22
    タイトルは「Song/Chat」となっていますが、実際にはかなりゆるいノリながらも最後まで演奏が続きます。これも最後はフェイド・アウトしてしまうので、その後どうなったかは気になるところです。

  11. Chat #13: "That Had The Feeling" Finishing Session 1:11
    「Finishing Session」とあるので、これがセッションの最後ところらしいですが、皆オフマイクで喋っているので、なにを言ってるのか判りません。最後で、ライトニンがいきなり「Okey!」と声を上げています。そこから次のトラックへそのまま続くようにも聞こえますし、いったん途切れたようでもあり、はっきりしません。

  12. Conversation #1: Trouble In Crockett TX 3:35
    ここからは「Chat」ではなく「Conversation」というタイトルが付いています。チャットとの違いは、セッション中のCharが、ライトニン以外のメンバーの声がオフマイクでよく聴けなかったのが、Conversationでははっきり聴こえる点です。想像ですが、セッション終了後のリラックスした中で、録音されたものではないでしょうか?「 Crockett TX」とはテキサス州クロケット郡のことだと思われます。

  13. Conversation #2: Whiskey On Prescription 2:18
    会話は盛り上がっているようですが、やはり聞き取れず(^^;。

  14. Conversation #3: Musician's Hours: Tommy Hall / Stacy Sutherland 1:28
    タイトルに、Tommy Hall とStacy Sutherlandの、エレベーターズのメンバーの名前があがっていますが、エレベーターズでの活動についてでも喋っているのでしょうか?そのままConversation #4に続きます。

  15. Conversation #4: "Where'd You Pick Up The Name Lightnin' ?" 13:49
    13分49秒という長い「Conversation」ですが、実際には殆どライトニンの一人喋りです。タイトルからすると、「ライトニン」という名前の由来についての話か?とも思えますが、やっぱりなにを言ってるのか判りません(´・ω・`)

  16. Conversation #5: "You Not Gonna Mess With Elmore (Nixon) Anymore?" 0:17
    短い会話です。タイトルからすると、セッション#2から参加するエルモア(・ニクソン)についての話のようですが...。

  17. Conversation #6: Centerville TX 4:07
    ライトニンはテキサス州センターヴィル出身です。

  18. Conversation #7: Politics 8:45
    これも会話内容はよく判りませんが、これが会話の最後だったようです。ラストでは、ライトニンたちの声が遠くなりつつやがて消える、という終わり方をしています。

ちょっと頭のなかが混乱してきたので、セッション―演奏順で整理し直して表を作ってみました。

セッション―演奏順の曲目表注2

セッションNo.演奏順曲名アルバム順
#101Give Me Time To Think02
02Mini Skirt10
03Got Her Letter This Morning08
04Mixed Up (unreleased)-
05(Mr.Dillon's) Grocery Store Blues04
06Fox Chase(take 1〜5)03
07Lord Have Mercy (unreleased)-
08Rain Falling09
09Cooking's Done07
11Mr. Charlie01
12Straw Hat (unreleased)-
13Green Onions (unreleased)-
#201Open Up Your Door05
02Untitled "name It Later" Presumably Black Ghost Blues-
03Baby Child(take1 & 2)06
04She Ain't Nothing But A Devil (presumed lost)-

これでDisc 1〜Disc 3までの内容解説を完了しました。(チャットと会話の中身については殆ど触れられませんでしたが(^^;)でもまだ終わりではありません。あと2つ、

◆謎の「Black Ghost (Blues)」について

◆Fuel2000版「Mini Skirt」について

というのが残っています。これについては次回Part 3で書きます。

                                                  続く

注1.時間表記は、iTunes上で表示されるものを記載しています。以降同様。
注2.その他、曲にまでなっていない断片やチャットに毛の生えた的なモノはありますがややこしいので省略します。

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